両口屋是清さんの和菓子教室 白小豆こし餡を作りました 先月と違う種類の白餡です
昨日は月1回の和菓子教室でした。
通い始めて1年と少しです。
なんと、同じ場所で別日程でNHKカルチャーセンター主催の和菓子教室があることを知りました。
こちらも人気でキャンセル待ちとのこと。作るお菓子が亥の子餅や着せ綿、水無月などお茶席でも使われるお菓子が多く、勉強になりそうです。先生は別の方ですが、教室は同じなので掛け持ちの方もいらっしゃるそうです。私も行きたい(>_<)
こちら、今受けているアドバンスコースというのは、和菓子の他実際に餡を煮炊きするところも体験します。両口屋さんのノウハウをバッチリ学べて面白いです。
ただしなかなかの力仕事で、また炊いてる途中で餡がはぜたりして結構危険です。
昨日ほっぺたにあんこが飛んできて見事やけどしました…。和菓子作りってお上品だと思いきや意外と体を張ることを知りました。
白小豆こし餡を作りました
前回は白火取り餡(しろひどりあん)で、今回は白小豆こし餡(しろあずきこしあん)です。
どちらも白餡ですが、使う豆と作るお菓子が違うため、かたさと食感が違います。
前回は“こなし”という和菓子を作るため成形しやすく少しかための白火取り餡で、大手亡豆と福白金時豆を使いました。
今回は“きんとん”のため、口どけよくやわらかい白小豆こし餡を作りました。
で
和菓子屋さんによって使うお豆も配合も違います。今回は白小豆(左側 通称:備中あん)と大手亡豆を使いました。
白小豆は、普通の小豆のようにいわゆる“あずき色”ではなく、大豆を一回り小さくしたような色・かたちの豆でした。生産量も少なく値段も高いので、こだわりの和菓子屋さんでないと使わないようです。さらに粒の大きさもバラバラなので、選別も必須で素人が使うのはハードルが高いです。煮え加減は同じなので、手亡豆と同時に煮てもOKです。
下煮したあと圧力鍋で水を替えて2回煮て、裏ごしも2回します。2回ずつするのは、あくをとって餡を白くきめ細かく仕上げるためです。
2回目の裏ごしです。水をかけながら、細かい目のザルで濾す、かなりの力仕事です。ふだんのお料理よりもハードです。力を入れないと下に落ちていきませんので。
最後にさらしで絞ります。時間の都合で『絞った白餡』が登場しました。
ちなみに絞る工程は、前回やってくださいました。これも力仕事です。
あんこ作りを習うまで、こんなにもこし餡作りが大変とは知りませんでした。
私は黒あん&粒あん派でしたが、これからはこし餡の見る眼がかわりました。白あんもバリエーション豊かで興味深いです。
砂糖+水を煮溶かします。ここに絞った白あんを混ぜ、好きな固さに仕上げていきます。まずは砂糖と水を溶かしているところ。粒が大きい砂糖なので、ちょっと時間がかかります。
白あんは一度に入れました。これから強火で水分を飛ばしています。
(ちなみに前回の白火取り餡は固いので2回に分けて入れました。)
途中、地獄の釜のようにあんこがブツブツ吹いてきます。この上下の写真の間でほっぺにあんこが飛んでやけどしました。その後水分がへっていくと徐々に飛ばなくなり、一気にあんこらしくなります。
仕上げの固さは迷ったらやわらかめがいいとのこと。固くすると戻りません。
これでほぼ出来上がりです。
火を止めて、バットに広げて冷まします。
鍋のままだと火を止めても余熱で水分が飛び、中が黄色く変色するので、すぐ広げて冷ますのが白あん作りの鉄則です。
出来上がりです!こちらは持ち帰りました。
なお、あんこは多めに作る方が歩留まり率は上がるとのこと。一度にたくさん炊くのは大変ですが、無駄のない&作りやすい量はあるようです。
この場で“歩留まり”という単語を聞いて新鮮でしたが、料理の場こそ原価計算や管理会計の知識がわかりやすく学べそうです。限界利益でなく、限界あんこに置き換えるといいかも。
きんとん作り 中の黒餡も前回と違います
次は白餡を使ってきんとん作りです。
ほんとはさっきの白餡を着色してからするのですが、ここも時間の関係上、準備済みの材料と道具を支給されてのスタートです。
前回の“こなし”とは、中に入れる黒餡も違いました。今回は粒餡で、前回はこし餡でした。
外側と中のあんこの組み合わせも相性があるらしく、食感によって決まるそうです。
同じきんとんでも、以前作った紅白の煉り薯蕷(ねりじょうよ=伊勢芋でつくるきんとん)はこし餡を使いました。
まとめると
・煉り薯蕷(伊勢芋のきんとん)=こし餡
・ふつうのきんとん=粒餡
・こなし=こし餡
です。パスタだと、麺の太さやチーズをかえるようなものでしょうか。和菓子をイタリアンで例えてしまいましたが。
今回は、煉り薯蕷のときよりも粗いザルでこしました。
真ん中の白だけ先生にこしてもらいました。大きさがそろっていて使いやすかったです。
悪戦苦闘しつつも、何とかできました。意外とごまかしは効きます。
完成写真です。
菓子銘は“薫風”です。
禅語の「薫風自南来」から由来するため、和菓子屋さんでも5月の始めに出回るお菓子にこの名前が付けられることもあるようです。
ちなみに時系列であげると清風→薫風→緑風の順とのことです。文字だけ目で追っても爽やかでいいですね。
今回も華やかなお菓子で、顔は負傷しましたがとても楽しかったです。
【昨日の一日一新】
1.自由学園クッキー コンコンブル
2.白小豆こし餡を炊く
綾野 真紀
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