大ベテラン税理士さん同士の会話を傍聞きして感銘を受ける
とある税理士向け研修の休み時間にて聞こえてきた会話がとても印象的でした。PC作業をしていたのですが、作業の振りして途中から思わずメモしてしまいました。きっと神さまが、今から大切な話が始まるからここにお座り、と誘導してくださったのだと思います(知らんけど)。
他人さまの会話を勝手に書いてしまって申し訳ないですが、書くまでが私の仕事のような気がしたのでと言い訳します。
大ベテラン税理士さんの同士の会話
私の隣のテーブルに、ご高齢の方がおひとりで座っておられました。満席になってましたが、その隣のテーブルに相席よろしいでしょうかと杖をつきながら同世代の方がもうおひとり座られました。
お互い初対面のようで、軽い挨拶から会話がはじまり、
「おいくつですか?」
「昭和ヒトケタ生まれでで90ウン歳です」(以後90とします)
「ええ!そうなんですか!私は兄が一つ下です」(正確な年齢わかりませんが以後80とします)
80「お仕事は現役でされているんですか」
90「はい、今も自分で手書きで申告書を作っています。事務員はひとりいますが」
(私「えええええ!!!!!」心の叫び 隣で勝手に会話に参加中)
80「ええ!!すごいですね!パソコン使わずご自分でされているんですか?私でもパソコンを少し使ってるのに」
(私「えええええ!!!!!」心の叫びその2)
90「もう60年以上やっとるから、慣れとる」
80「いまお客さんは何人ぐらいいらっしゃるんですか?」
90「…客はみんな死んでいった。」
(私「」)
90「でもまだあと4,5年はやるつもり」
80「私ももうそろそろ…とか思ってましたが、まだまだ頑張らないと(笑)」
(こないだ独立3周年で大騒ぎした私「」)
発せられるお言葉ひとことひとことの重みがすごすぎてもう、作業が手につきませんでした。80の方もものすごいベテランなのですが、若手に思えてしまうという。というか、お二人とも聴き上手&話上手です。長年ご活躍されている秘訣がすこし垣間見えました。
さらに印象的だったこと
80「夫婦そろってお元気でなによりですな。私は数年前に先立たれましたわ。わたしら、昔はほんとに朝6時から夜中2時まで働いて、奥さんの相手が何もできなかった。どうやって女房が生きてたかわからなかった(寂しそうな声色)」
(私「(;_:)…」)
90「再婚すりゃええがね」
80&私「!!!」
(90の方は奥さんが早く亡くなられて再婚されたようでした)
盗み聞きしておいてなんですが、もう胸がいっぱいになりました…。
自分を見つめ直すきっかけになりました
わずか5分ぐらいの会話でしたが、とても衝撃的でしばらく席から立てませんでした。重厚なドキュメンタリー映画を観た気分です。でもリアルにお2人の大切な人生の一端なのです。どなたか映画化を!私ひとりではもったいなすぎる。
余韻を引きずりつつ、研修会場に戻りました。こっちが本編です(本編もよかったです)。
・60年以上手書きで申告
・あと4,5年続ける
・女房がどうやって生きてたかわからなかった
私が40代で遊びまわってたった3年でヒイヒイ言っているブログなんて、このお2人には死んでもお見せできません…。手書きの申告書も、業界歴25年の私でさえ法人税は経験しなかったです。専門まではわかりませんでしたがほんとにすごすぎる…。さらに、ずっとお客様に信頼されて長く続けられていらっしゃるのは本当に素晴らしいです。
最後に80代の方が寂しそうに言われた「女房がどうやって生きてたかわからなかった」はちょっと堪えました…。身を削ってお仕事されていたの、私も少し想像できますがほんとに辛いですね。心優しそうな方だったので。働き方は考えないといけないと改めて感じました。
すっかり意気投合されたようで、研修が終わってから一緒に帰られるお姿を拝見しました。(ストーカーか)
大事なことを学ばせて頂き感謝です。また次回同じテーブルでこっそり待ち伏せしようかと思っています。
【昨日の一日一新】
・ウィダーイン ミックス
レジでびっくり、324円もする高級品でした。隣のテーブルで張り込み中にあんぱんと一緒に頂きました。
綾野 真紀
最新記事 by 綾野 真紀 (全て見る)
- 駅から始まる スマホdeウォークスタンプラリー 名東区制50周年記念!身近な自然を探検コースを歩きました - 2024年11月24日
- ホーユーヘアカラーミュージアムに行きました - 2024年11月23日
- 上飯田の珈琲タナカ御成店に行きました - 2024年11月17日