必要経費の範囲について興味深く学べる本『超・殺人事件』と『Q&A業種別の特殊事情にかかる所得税実務』
税理士の登録時研修のとき、三木義一先生がご紹介してくださった東野圭吾さんの『超・殺人事件』という本
話の流れでさらっと出てきただけでしたが、すぐ取り寄せて読んでみるととても面白く、ためになりました。研修時で紹介された本で読み切った数少ない愛読書のひとつです。
私はこのとき初めて知りましたが有名な短編小説集で、東野圭吾さんのファン以外でも、税理士の方だと結構ご存知の方が多いのではと思います。とくに最初の『超・税金対策殺人事件』は、税理士だけでなく事業をされている方は必読です。
『超・税金対策殺人事件』で必要経費の範囲について楽しく?学ぶ
表紙から何となくわかると思いますが、いつものミステリとは少し毛色が違います。
納税のことを忘れて印税を散財してしまった作家が、買った私物を小説で必要だからと強引な理由をつけて何とか経費にしようと妻&友人税理士とともに奮闘する、というストーリーです。
フィクションですがリアルでも職業こそ違えどいかにもありそうな話で、あらすじだけで読む前から身につまされます。が、テーマがテーマだけにブラックユーモアにあふれていて最高です。こみ上げる笑いが止められないので、電車で読むのはおすすめしません。
「これは経費にならないですよ」と条文や判例を根拠に説明してもどうも伝わり切らないし中々納得してもらえないのは超あるあるなのですが、もし経費にしてしまうと一体どうなるかというのが架空の世界でうまく描かれて、小説でよかった…と読後感はとっても爽やかです。自分で下手に家事関連費についての説明をするより、この小説を読んでもらった方が100倍伝わり、納得してくださるのではと思います。
40ページぐらいなので、ここだけなら30分もあれば読めます。また、世にも奇妙な物語でも映像化されています。2001年の本なので税法は多少違いますが、その説明をしつつこの本をお薦めするのもアリなのではと個人的に思います。世にも奇妙な物語の方はYouTubeで見られます。実はブログ書いてから初めて見たのですが、見事な実写化でこっちの方がよりインパクトあります…。
唯一褒められる?内容は、申告内容はアレですが申告書の提出は3/15ぎりぎりでなく2月中に終わっている点です。ネタバレ満載ですみません、ご興味があればぜひご一読をお薦めします。これ以外のストーリーも、出版界などジャンルは違えど同様にブラックユーモアに富んだ舞台裏が描かれています。どの業界も同じなのだと改めて感じました。
いま気づきましたが、私が持っているのは新潮文庫版で、1/23に角川文庫版も出ています。角川版は読んでませんが短編の数も一緒なので内容も同じかと思います。いまキャンペーンもやってます。
また、この本の前に出版された『名探偵の掟』も同時におすすめにあがってきたので読みましたが、こちらもこの路線でとても面白かったです。続編の『名探偵の呪縛』をまだ読んでなかったので、これを機に読もうと思ってます。
実務的な内容は『特殊事情に係る所得税実務〔三訂版〕』にて確認
さっきの短編小説にてざっと概要をつかみ、実務的な内容は『特殊事情に係る所得税実務〔三訂版〕』にて確認するといいかと思います。
Twitterでみなさんが取り上げられていて、私も買ってみました。あらゆる職業の方の「必要経費の範囲」が載っていて、自分の受け持ち関係なく、とても興味深く読ませていただいております。
職業ごとの収支のとらえ方がとても参考になり、こういう見方があるのかと気づきも多いです。そして関係ないジャンルの方が心置きなく読めます。もちろん文筆家の方の経費についても載っていますし、ほかにプロ野球選手の自主トレの費用や俳優さんの衣装代などもあります。芸能ゴシップネタを読み流すときにも正しい知識としてちゃんと整理しておくと変な憶測に惑わされないので、読みやすいところから攻めていこうと思っております。
どちらの本も短編やQ&Aで部分的に読めるため、個人の確定申告書のシーズン中に気分転換を兼ねて少しずつ読もうと思ってます。
【昨日の一日一新】
・新型の精算機でマナカチャージ
いつのまにか10円単位でチャージできる機種に変わっていました。以前置いてあった機種は紙幣は1枚ずつ入れておつりも1枚ずつ出てくるレトロなタイプだったので、かなりの進化です。
綾野 真紀
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