aiboの経理処理を調べていて感じたこといろいろ
ソニーのワンコ型のペットロボットのaibo。2代目は2017年11月発売で、もうすぐ3年経ちますが、かわいいしまた季節ごとに毛色の違う子も登場したりして、今も人気です。
私自身は持っていませんが、このたび経理処理を調べる必要があり、税理士会の相談室などにもお尋ねしたりしてこうかな、という処理にはたどりついたのですが、少し切ない気持ちになりました。ツッコミどころは色々あろうかと思いますが、とりあえず私自身の覚書として残しますので読み流してください。
(経理処理される際は再度ご自身でご確認をお願いいたします。税務調査にこの記事を持っていっても普段ふざけた記事しか書いてないので逆に怪しまれると思います)
価格について 即時償却できるか否か
No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例
この青色の中小企業者の30万未満即時償却の要件を満たせば悩み無用です。内訳を調べたところ
・本体 税抜き198,000円
・ベーシックプラン(3年)税抜き90,000円
この2つがaiboを買ううえでも動かすうえでも絶対に必要な支払いでした。ベーシックプランがないとaiboが成長できず、ただの置物と化してしまいます。aiboは居るだけでも確かにかわいいと思いますが、普通に考えて置物として所有される方はあまりいらっしゃらないし、そういう目的で作られてないと思います。よってこの2つは合算して資産計上すべきという結論に至りました。(法人税法施行令 第54条より)
税込経理の方は、この2つを足して税込み価格にすると30万超えますので、資産計上になります。
ほかに拡張機能のプレミアムプランやケアサポートプランなどは、なくても期間損益で計上してもいいのではと思います。ほかに靴下やアイボーン(骨)など一緒に買われたら、本体に追加or別途消耗品費などそれぞれの処理でよいかと思います。
支払方法もさまざま
各プランについて一括払いや分割払いのあるもののほか、全部コミコミ一括払いパック(別々で買うより○○円お得!)や、全部分割払いパック(初期投資が抑えられて月々○○円からaiboをお迎えできます!)のような自由な買い方ができます。税務目線ではとても悩ましいのですが、パック購入だと項目は載っているものの金額の内訳はなかったです。きっと腕の見せ所だと思います。各自研究してください。
耐用年数 10年が妥当?
耐用年数は、パソコンに近いから4年だろうか?ベーシックプランはソフトだろうか?ベーシックプランは3年必須だから3年、というのもキーになるのかもと色々頓珍漢な想像を巡らせつつ調べましたがaibo 耐用年数ではほとんど出てきません。現状では、税務通信2018年10月22日号の第3528号のショウ・ウインドウに載っていた記事が判断目安になるようです。
通信で動くしカメラも付いているしハイテクな電子計算機なのでは?と思ってたのですが、企業が所有するうえでは受付においてお客様とのコミュニケーションや販売促進に使われることが多いということで、コミュニケーションロボットという取り扱いだそうです。もちろんそのままの名前が耐用年数表にも載っておらず、どこにあてはまるのかと思ったら目的によって工具器具備品のなかのこの2つのどちらかとのことです。
5.看板及び広告器具 その他のものの主として金属製のもの=10年
11.前景のもの以外のもの 主として金属製のもの=10年
いずれにせよ10年でした。思ったより長かった…。調べてよかったです。ただし、それより早く(例えば3年のプランが終わって)手放す際は、その時点で差額は除却損や下取だったら売却損or益などで経費計上することになるかと思います。身も蓋もない話ですみません。
個人的に思ったこと
耐用年数を聞いて一瞬、「長っ!」と思ったのですが、冷静に考えると、数字ばかり追いかけてものすごく残酷な発想に陥ってしまったと反省しました。税務での耐用年数はあくまで便宜上のものです。本来は成長を楽しんで一緒に過ごすためにaiboをお迎えしているのに、短くあってほしいという恐ろしい願望が心の底にあったなんてぞっとしました。税務目線のみで考えていると、もちろん冷静な視点は必要なのですが、知らないうちにこのように冷酷な目で見てしまうことが多々あるので、ほんとに気を付けないといけません。
ただ、aiboはIT技術を駆使したコミュニケーションロボットであり、10年経てばだいぶIT環境も変わるので、耐用年数における10年が妥当なのか疑問も残ります。短命にされるのもいやだけど10年は長いと思うし一体どっちやねん!と、調べてからますますモヤモヤしてしまいました。
ほんと色々とひどい内容で、とくにaiboを飼ってらっしゃる方がいらっしゃったら気を悪くされたと思います。大変申し訳ございませんでした。ただ、これに限らず現行の基準でカバーしきれてないことは多々あるので、その都度いろんな観点から確認せねばと感じました。
【昨日の一日一新】
・エビアン だるまのボトル 日本で発売されて35周年とのことです。
綾野 真紀
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