吉野広之進先生の「土地評価に係る現地調査の重要ポイントセミナー」&支部の夏期懇親会に参加しました
昨日は税理士会の支部会の研修と、夜は夏期懇親会に参加しました。
“土地評価に係る現地調査の重要ポイント”というテーマで、講師は元税務署OBかつ資産税のプロの吉野広之進先生でした。気さくな雰囲気の先生で、とてもわかり易かったです!
この本をもとに重要ポイントを解説してくださいました。
先月東京で開催された、法人メインの税理士のための相続セミナーでもおすすめされていた本です。具体的でわかりやすいので、時間の関係で触れられなかった箇所も後で読みます。
印象的だったことを覚書します。
土地の現地確認は減額要素を探すこと 写真撮影だけではダメ
この本の“はしがき”に先生の思いが書かれています。(以下ほぼ引用になります)
そもそも現地をみる必要があるの?という先生も中にはいらっしゃるそうですが、
現地確認は当たり前!です。
なぜなら
土地の現地確認は「その土地を見に行って写真を撮ってくること」ではありません。「その土地が内包している問題点や特殊事情などの減額要素を見つけに行くこと」が目的です。(はしがきⅢより)
土地の評価は、路線価図の評価以上に増えるのは2つ(側方路線と裏面路線の加算)のみで、あとはみな減額要素です。
見つけるほど評価が下がるので、見に行かなきゃ損です!というよりプロとして当たり前のことです(相続税ノータッチの私が偉そうにすみません)。
試験問題でも問題文から読み取って探すことを実務では自分で見つけ出す必要があり、大変ですがとても大事なことです。
倍率地域の土地は固定資産税評価単価を計算してあたりをつける
やみくもに探す前に、倍率地域の土地の場合、あらかじめあたりをつけておくと減額要素を探しやすくなります。
吉野先生の事務所では、固定資産税の課税明細書を入手すると余白に以下の単価を計算されるとのことです。
「固定資産税評価額」÷「課税面積」=固定資産税評価単価
5分ほどでちゃちゃっと計算できます。
メリットその1 単純な計算ミスが防げる
何でもそうですが、検算にあたっては違う角度からウラをとるようなチェックが大事です。
たいてい税務ソフトで計算するので、計算自体は合っていてもそもそも入力する数字を間違えていることなどが結構あります。が、そういうのって出た答えだけボーっと見ていても気づきにくいです。
相続税の評価額=実勢価格の8掛け、固定資産税評価額=7掛けを目途に計算されています。
相続税の評価額からも単価を出してみて、大体あっていたらいいのですが、もし他の土地よりもあまりにも差が大きかったら、入れる数字を間違っている可能性があります。相続税に限らず、こういう視点でのチェックは絶対大事です。
メリットその2 単価から減額要因がある土地を探すヒントになる
相続税の評価額=実勢価格の8掛け、固定資産税評価額=7掛けを目途に計算されています。
他の土地より単価が低い土地は、すでに市町村役場側で実地調査で判明した減額要因を反映してある可能性が高いです。
これはめちゃくちゃヒントなので、そういう土地は単価計算した時点で目星をつけます。
現地調査の際にその土地はどこかを優先して探し、相続税評価額の減額要因の証拠となるポイントを見つけ出すとのことです。
固定資産税評価自体が現況とずれている可能性大
ただし、市町村役場の方が実地調査をした後に現況が変わっていたり(田んぼやめて畑にししたあと孫の駐車場に、とか)、またそもそも見間違えて高すぎる評価となっていることもあるそうです。(稲刈り直後の田んぼと畑、耕作放棄地はわかりにくいとのこと)
話を聞いただけでも、どのご家庭にもよくありそうな感じがします…。
相続税の評価は相続開始時点の現況で行うため、すでに固定資産税評価額として出ていたとしても、やはり現地で確認するのが基本です。
減額要因のあたりをつけつつもそもそもあってるかどうかの確認もする、両方のチェックが大事です。
相続税のブランクの長すぎる(20年)私がまとめたので、ちょっとおかしな書き方も多いと思います。スミマセン。
詳しくは上記の吉野先生の書籍をご参照ください。考え方がとても参考になりました。
その後、支部の夏期懇親会に参加しました。
今までこういう集まりは参加したことが無かったのですが新入会員枠があったので、2次会まで参加させていただきました。
新入会員のかたは近くで開業されている方が多く、心強かったです。また個性豊かな先生方と沢山知り合えて良かったです。
ビールを飲み過ぎて、後半おとなしくしておりました。
【昨日の一日一新】
吉野広之進先生
支部の夏期懇親会
いごご家
綾野 真紀
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