千なりと祖母と税理士試験の思い出
久々に両口屋是清さんの千なりを買ってきました。
小豆粒あんと、現品限りの秋限定の栗あんです。
和菓子教室がずっと休みで、しばらくごぶさたです。ポイントでもらえる商品券が昨日で有効期限が切れるのに気づいて、急いで行ってきました。(期限はコロナ禍ゆえ多少過ぎてもいいとのことですので店頭でご確認ください)千なり2種類のほかに、年末年始に発売される御題菓も買いました。
千なり事件
千なりには思い出があります。
あんこが大好きで、普通の小豆のあんこのこしあん・粒あん問わずどっちも好きです。子どもの頃、千なりをお土産か何かで頂いたとき。ほかに紅あんや白あん、当時はうぐいすあん(今は同系色の抹茶あんがあります)もありましたが、あんこに関しては家族全員保守的でみなこの小豆粒あんをねらっていました。
姉の権限で弟からは奪い、これで私のものだと思ってたところ、父が食べようとして、千なりに手をかけておりました。「それ私の!」と言ったのですが、私に似て大人げない父は何と千なりを持ったまま走り出し、裏の畑まで逃げていきました!多分私が必死すぎて半分面白がってのことと思いますが、やっと追いついて何とか奪い返すことができました。その後自分の好きなタイミングで食べようと、冷蔵庫の目立たないところにしまっておきました。(好きなものは後で食べます)
2,3日後。そろそろ食べようかと冷蔵庫を開けると、何と千なりが消えていました…。いくら探してもありません。「私の千なり、どこ行った??」まず父に確認しましたが、食べてないとのこと。
すると祖母が「あれ?あまってたのかと思って食べたよ。美味しかった(*^^*)」
しまった!トムとジェリーみたいな追いかけっこを祖母は知らなかったらしく、私が学校に行ってる間にちゃっかり食べ終わっておりました…。あんなに必死で父から取り戻したのに食べられなかったのはショックでしたが、おばあちゃんが美味しかったらいいや、と気持ちを切り替えました。(それ以来、名前を書くようにしました。)
あれから40年経っても、千なりを見ると毎回あのときの千なり事件を思い出します。数年前から両口屋是清さんの和菓子教室に通うようになったとき、あのころからの私の千なりへの思いが実ったかと思いました。
両口屋是清さんの和菓子教室 チョコレート餡を使って、薯蕷製ハート形のお饅頭♡を作りました
小豆のあんこ以外興味なかったのですが、白あんの奥深さやチョコレート餡のような新しいあんこの魅力にもハマりました。早く再開されるのを待ってます。
税理士試験ラストイヤーのこと
先に栗あんを、仕事に向かう近鉄電車で頂きました。
頂きながらまた祖母のことを思い出していました。(今年亡くなったのは母方の祖母で、今話題にしているのは父方の同居してた方の祖母です)
税理士試験合格したときすごく喜んでくれたのですが、何度か書いてますが私は最後の受験直後にヘトヘト燃え尽きてしまって受かる体力も気力もなく、もちろん合格そのものは嬉しかったものの「もうやりたくない」とぼそっとつぶやきました。
そしたら「何ゆうとんのやな…」とものすごく落胆&悲しい顔をされました。大学に落ちたときにも見なかった、祖母のあんなにもガッカリした表情に私も衝撃を受けました。でももう税理士は試験でもうこりごりで、どうしても(税理士に)なる勇気は持てず、心の中にずっと申し訳ない気持ちを長年抱え続けました…。
祖母は翌年の合格発表の数日前に亡くなりました。名古屋に住んでてあまり会えなかったので、すごくつらくて試験後のダメージを引きずったままその後バランスを崩しまくって色々こじらせました。一緒に合格した友人はすぐ登録したのですが、私は抜け殻のような、起きて仕事に向かうのが精いっぱいの1年を過ごしました。
でも、もし合格が一年遅れてたら合格を伝えることも出来なかったので、合格だけでも伝えられたのはせめてもの救いでした。前年のほうが手ごたえがあったのに落ちて、翌年そうでもなかったのに合格だったのか今でも謎ですが、弱い人間なのであのとき受かってなかったらもっとこじらせてたと思います。
それから20年後にやっと登録・独立し、おかげさまで曲がりなりにもなんとかさせていただいています。うろ覚えですが、この日は多分祖母のお葬式の日です。千なりを頂きながら色々思い出して胸がいっぱいになりました。曲がりなりにもなんとかさせていただいてます。
あの世では現物は食べられないので、私がお供え代わりに税務代理で頂きました。小豆粒あんのほうは祖母に献上してから頂きます。まだ自分のやり方も確立できず落ち込むことばかりですが、すごく喜んでくれたことを思い出してもうちょっと頑張ります。
何度も感傷に浸ってブログネタにしてるばっかりでは成長がないのですが、なかなか私の中で成仏しきれない思いが色々残っているのでこれからも度々書くと思います。
こんな私の経験など甘すぎますが、試験にはだれもが筆舌に尽くしがたい苦労・悲喜こもごもがあると思います。合格がすべてではないけど、長年の努力も一般的には合否でしか語られないのがつらいところですし、全員が努力しているので、頑張った人すべてに合格が行き渡るわけでもないです。これらすべて抱えて飲み込んで続けれられている方々、自分次第でいくらでも挽回できるので自分のタイミングを信じて…陰ながら心より応援しています。
【昨日の一日一新】
・千なり 栗あん
綾野 真紀
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