『保険税務の実務と最新情報』という研修に参加しました 私の覚書
昨日は、『保険税務の実務と最新情報』という研修に参加しました。
講師は、「保険税務のすべて」を30年以上編集されている榊原正則さんです。
生命保険は種類も沢山あり、事業承継や節税で積極的に活用することも多いですが法令や通達で拾いきれていない部分も多く、実務でもややこしいところです。
そういう点や最新情報を中心に解説してくださいました。印象に残ったことなどざっと覚書します。(私の要約ですので細かいところは改めてご確認ください)
法人契約の生命保険が失効した場合
資金繰りの悪化で保険料が払えず失効してしまった場合について。
解約返戻金の経理処理のタイミングと、計上し忘れについて書いておきます。
法基通9-3-4(養老保険に係る保険料)
死亡保険金及び生存保険金の受取人が当該法人である場合 その支払った保険料の額は、保険事故の発生又は保険契約の解除若しくは失効により当該保険契約が終了する時までは資産に計上するものとする。
経理処理のタイミング
まず解約返戻金の経理処理のタイミングですが、払込みが遅れた場合にも2通りあります。
払込日~失効日まで=払込猶予期間といい、失効日~一定の期間=復活可能期間といいます。
失効日になると保険は失効しますが、その後も復活可能期間中に保険料を支払えば復活します。
よって、失効日ではなく、復活可能期間が過ぎても払えなかった時に解約返戻金等の経理処理を行います。
一度払ってそのままほうってある保険
次に、実務上うっかりやらかしていることが多そうな事例です。
決算前に急いで節税効果の大きい保険に入り、一度払ってから翌期以降は継続せずそのままになっている保険が意外とあったりします。
いつの間にか復活可能期間が過ぎてしまっているので、正しくは上記のような解約返戻金の処理をしないといけないのです。それもせず、保険の担当者の方からも翌期以降は別の保険を薦められて契約、そしてその保険も同様に放置…と繰り返していきます。
(聞いた話ですので実際どのぐらいあるかわかりませんが)
通達等にもなく、税務調査でも失効後の処理まで追いかけられることはあまりないそうですが、かと言って計上漏れはいけません…。無意識にやってないか注意すべきです。
生前贈与・暦年贈与できる保険ができた
贈与税の非課税枠(基礎控除年間110万以内)を活用?しての贈与は、時期や金額を少し変えるなどして1回1回の贈与と認識されるようにしないと、まとめて1回分の贈与(定期贈与)とみなされてしまうことがあります。(例えばお正月に100万を10年間→100万×10=1000万円1回の贈与)
またその方が認知症になられると意思能力がないため契約等も無効になり、相続対策がすすまなくなることもあります。
私は保険会社の回し者ではありませんが、このリスクを2つとも回避する保険があるとのことです。
被保険者が生きている間は受取人に一定期間一定額を口座振り込み、被保険者が亡くなったら死亡保険金になる保険で、
- 暦年贈与になる(生命保険の仕組みを活用するため定期贈与にならない)
- 贈与契約書の作成不要(保険会社が贈与の記録等を発行)
などの特徴があります。(太陽生命や三井住友海上プライマリー生命などで出ています。)
榊原さん曰く、こういう生前贈与を確実にできる保険は理想的だが、作るのは難しいと思ってみえたそうです。
そこを何とか商品化しようと、条件をクリアする保険を保険会社で開発され、東京国税局に事前照会して暦年贈与にできるという課税上の取り扱いの確認もとり、ニーズに合った商品が生まれたとのことです。すごく有意義な保険だと思いました。
保険の税務は、商品もどんどん増えていて法律でカバーしきれていないところも多く、実務上の取り扱いも微妙で難しいのが実情です。
裁決事例や回答集含め、他にももっとお聞きしましたが書ききれませんでした(^^;)大事なので、来年以降も参加しようと思います。
【昨日の一日一新】
岐阜大同生命ビル
先日買った服をしまうのにハンガーを買い足すつもりでしたが、古い服を整理したところ沢山ハンガーが余りました。
今までモノトーンとボーダーばかりだったところに、明るい色の服が増えて嬉しいです。
綾野 真紀
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